――収録後のご感想は?
スムーズで楽しい収録でした。フランシスの設定上、ほぼ二役のような状態だったので(笑)、
絶えず新鮮な気持ちで臨めました。
眼鏡を取ると別人になるのではなく本来の自分に戻ってしまう…。
『人を色眼鏡で見るな』という言葉がありますが、彼はその逆をいってますね(笑)。
眼鏡が彼のスイッチになっている訳ですから、日常生活においても相当な注意が必要です。
何かの拍子にぽろっと外れたり、うっかりかけ忘れたり、壊れてしまう可能性もあります。
最早、眼鏡が本体になってますね。僕と同じです(笑)。

――世界観の印象は?
基本、ファンタジーなんですけども、リアルな世界とも繋がっているんですよね。
そのちょっと曖昧な所が僕は良いなと思いました。自由に行き来出来たら楽しいですよ、きっと。
ロアクリストにはなれないと思いますけど(笑)。

――フランシスルートの恋愛観の印象は?
微笑ましかったです。彼の生真面目さが、これでもかと言うくらいモノローグに表れていて……。
本当に純粋な人です。
受け入れて貰えないんじゃないかと弱気になる彼に、「頑張れ!」と全力のエールを送りたくなりました。
彼の良い部分は弱点にも、魅力にもなっているんですね。

――フランシスの設定やシナリオを読んだ時の印象は?
初めは二重人格だと思いました。その設定に彼のドラマがあり、彼の一番重要なファクターになっている。
本来の姿の自分は受け入れられないと決め付けているので、そんな自分をお荷物のように感じ、卑下しているんです。
でも、それは眼鏡をかけコントロール下に置いた自身がそう判断している事で、本来の自分を押さえ込んだ末の苦渋の選択によるもの。
複雑ですよね。理性的に考えられている自分が本来の自分ではないんですから。
周囲に気を遣いながら生きる彼にとってヒロインの存在は、本当にかけがえのないものなんです。
ややこしいようでシンプルな、何とも難しいキャラクターでしたね。

――演じた際に、苦労したことや気をつけたことは?
イヤらしいキャラにならないよう注意しましたね。
二つの自分を「使い分けている」ように見えたらマズいですから。
上手にスイッチング出来るような器用な人になってしまわないように気を付けました。
あと、固めの説明台詞にドキドキでした。『ゲミュートの樹』が言い辛くて(笑)。
言えてるのに言えてないような気がしちゃうんですよ。
丁寧に喋るキャラクターなので、言えてないのは残念じゃないですか(笑)。
実は、『瑠奈』も強敵でしたよ。何度か『りな』って言っていたらしいです(笑)。

――印象に残ったシーンや聴き所は?
あれだけ「人を傷付けない」と誓っていたのに、ボッコボコに殴り始めたシーンです(笑)。
「おいおい!」と突っ込みを入れたくなりましたよ。
自分にその可能性があるからこそ、ああやって言い聞かせていたんですけどねぇ……。
不特定多数に言ってるようで、その実、自分への戒めだった訳です。残念。
「溜まってたのかな?」みたいな暴れ方でしたね(笑)。

――フランシスの魅力は?
一生懸命なところです。不器用だし要領も悪いし、『あ〜もう!』って思う瞬間が多々あるんですけどね。
でも、一生懸命悩んで、考えて、生きて、どんな時もいつも一生懸命。
そういう彼の純粋さを周りの皆はちゃんと理解してくれているんですよ。
フランシスは仲間にも恵まれていますね。

――フランシス以外で、気になる・演じてみたいと思うキャラは?
やっぱりお姉ちゃんとのやりとりが印象的でした。奇麗なお姉さんが好きなので(笑)、
ヴィヴィは一番気になる存在です。
あと、マクシミリアンもちょっと気になってます。
あのアンニュイな彼の「気にしてくれオーラ」は凄いじゃないですか(笑)。ズルいですよねー。

――今回囁きで使用したダミーヘッドマイクで演じてみてのご感想は?
何度か体験してるんですけど、やっぱり慣れないですね。
ダミーヘッドマイクは、"その通りに"動かなきゃならないので恥ずかしいんです(笑)。
背後から声をかけ、前に回り込んで顔を近づけ左耳の方で囁いて……とまぁ、そういう一連の動作を顔型マイクに向かって必死にやってるんですよ。端から見ると滑稽な姿だと思いますよ(笑)。
せっかくやったんですから、良い臨場感が出ている事を祈っております。
聞いて下さった皆さん、如何でしたか?

――発売を待っているファンの皆さんにメッセージを
乙女ゲームは色々なタッチの作品が出ていますが、
この『籠の中のアリシス』も負けず劣らずの素晴らしいクオリティです。
人を思う気持ちがそれぞれの表現とモチベーションで描かれているので、
キャラクター毎のエピソードを全て堪能してもらいたいです。
優しさに溢れた作品ですが、ただ優しいだけじゃないシリアスなストーリーにも注目です。
惹き込まれる事、受け合いですよ。
皆さんも是非、アリシスのように籠の中に囚われてみて下さい!


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